• 2024年6月29日
  • 2024年6月30日

当院での白内障手術について

皆様、白内障手術に対してどういうイメージをお持ちでしょうか。
最近では『簡単な手術』、『すぐ終わる手術』といったことをテレビなどで聞かれることもあるかと思います。

確かに、特に問題のない方の場合は5分〜10分程度で手術が終わるのですが、
特に熊本ではスムーズにいかない症例が東京等の都会と比較すると多いということは皆様ご存知ないかと思います。

こういった患者様の白内障を『難症例白内障』と呼ぶのですが、具体的には

1:レンズを支える糸が弱っている/切れている(チン氏帯断裂、水晶体落下)
2:白内障が進みすぎて真っ白になっている(成熟白内障、過熟白内障)
3:瞳孔(茶目)の開きが悪く視界が悪い(散瞳不良)
4:黒目の表面(角膜)の細胞が濁っている(角膜混濁)
5:前立腺のお薬を服用していて茶目が非常に弱くなっている(IFIS)

等が挙げられるかと思います。

特に1に関しては一般的な眼科では1回目の手術では眼内レンズが入れられず大学病院などで2回目の手術が必要になる場合があります。支えの糸が弱くなっていることが術前にわかれば良いのですが、多くの場合は手術時に判明することが多いかと思われます。当院でもすでに2例の方で術中にチン氏帯脆弱/部分断裂が判明しましたが、特殊な追加手術を行い、術後早期に良好な視力を得られております。

また、術中に水晶体を包んでいる水晶体嚢に損傷が起こった場合(後嚢破損)も白内障手術しか行っていない施設の場合は十分な対応ができない場合があります。

当院では院長が大学病院勤務時代にトラブルが生じた症例の2期的手術を多数行なってきた経験に加えて、院内にほぼ全てのトラブルに対応できる機械/道具を揃えております。

具体的には

1:後嚢破損時の硝子体処理+眼内レンズ挿入
2:チン氏帯脆弱症例に対する硝子体手術+眼内レンズ強膜内固定術
3:チン氏帯部分断裂に対するCTR挿入術
4:前立腺薬服用症例のIFISに対する虹彩対応を行なった白内障手術
5:水晶体脱臼症例に対する硝子体手術
6:成熟白内障に対する白内障手術
7:駆逐性出血が生じた場合の強膜開窓術

等があげられます。

他にも術後の裸眼視力の改善を目的とした乱視用眼内レンズや多焦点眼内レンズも導入しております。

ほとんどの場合、白内障手術はどの施設で行っても十分満足いく結果になるかと思います。
しかしながら一定の割合で不慮のトラブルが生じてしまうことも事実です。


当院では当然全ての患者様に対して細心の注意をもって手術を行いますが、たとえ術中に不慮のトラブルが起こった場合でも、

最小限の侵襲で、最大限の見え方を追求した手術を行います。

当院での手術をご希望の方はまず外来受診にてご相談いただければ幸いです。

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