日帰り手術について
近年、目の手術に関し、手術の方法や技術、医療機器などが飛躍的に発展したため、手術時間の短縮や、術前術後の痛みの軽減など、患者様の目や身体への負担が大きく低減されるようになってきました。そのため、白内障をはじめとした各種手術が、入院することなく、外来でも安心して受けていただくことが可能になっています。
日帰り手術のメリットは、住み慣れたご自宅などで、落ち着いて療養ができることです。また様々な入院に関する準備もせずに済みます。医師の指示に従って、ご自宅での管理をしっかりとしていただき、翌日検診など、術後の外来検診を必ず受診していただければ、日帰り手術は安心して受けていただけるものとなっています。
当院で施行可能な手術について
- 白内障手術(単焦点眼内レンズ・多焦点眼内レンズ)
難症例白内障手術(チン氏帯断裂、小瞳孔、成熟白内障、等)の対応も可 - 眼内レンズ強膜内固定術
- 眼内レンズ摘出術、眼内レンズ二次挿入術
- 硝子体手術(網膜前膜、黄斑円孔、網膜剥離、硝子体出血、糖尿病網膜症、等)
- 緑内障手術(μフック眼内トラベクロトミー)
- 翼状片手術
- 結膜弛緩手術(焼灼術、切除術)
- 霰粒腫切開術
- ※記載のない手術をご希望の方はお電話でお問い合わせください。
- ※角膜の手術、斜視の手術は当院では行っておりません。
日帰り手術の流れ
外来受診
外来での診察において検査などの結果、手術適応であれば、患者様に具体的な手術の内容などをご説明いたします。患者様ともご相談の上、手術することが決定いたしましたら、手術日を決定し、また手術に際して必要な検査などについてもご説明いたします。
全身の健康状態をチェックするため採血検査や心電図検査を行います。必要に応じて患者様がかかりつけの内科クリニックなどへの受診をお願いすることがあります。もしくは半年以内に受けられた健康診断などのデータ(心電図、胸部レントゲン、一般血液検査が含まれているもの)があれば、それをご持参いただくことでも構いません。
手術当日
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- 受付
- 事前にご案内した時間に当院の受付までお越しください。
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- 検査・診察
- 前回の外来受診時から大きな変化がないかどうか、当日にも検査いたします。
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- 全身状態の検査
- 血圧の測定などを行い、全身状態に何か問題がないかを確認します。
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- 手術準備
- 手術を行う前に、散瞳薬の点眼を行います。
手術の30~1時間前に、点眼麻酔を行います。
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- 手術
- 手術の所要時間は種類や内容によって異なります。
白内障の場合、問題が無ければ、片眼10~15分で終了します。
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- 手術後
- 手術終了後は約1時間、院内で安静にしていただきます。
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- 会計・ご帰宅
- 翌日の検診時間をご確認・会計を行い、ご帰宅となります。
手術翌日検診
手術翌日の決められた時間にご来院いただき、検査を行います。
その後の検診の目安
その後も期間を決め、術後およそ2~3カ月の間、検診を受けていただきます。検診のスケジュールの目安は以下のようになります。
検診スケジュール表
- ① 翌日の検査・診察1-2日
- ② 検診1週間
- ③ 検診2週間
- ④ 検診1ヶ月
- ⑤ 検診1ヶ月
- ⑥ 検診
※白内障の手術などで片眼ずつ別日に手術する場合は、検診が増えます。
目の手術は怖いと感じられる方へ
低濃度笑気ガス麻酔
当院では低濃度笑気ガス麻酔器(セデント サイコリッチ®)を導入しております。お子様の歯科治療や無痛分娩などにも用いられる、安全性の高い麻酔方法です。恐怖心や不安感から開放されリラックスした状態で安心して手術を受けていただくことができます。当院で行っている白内障、網膜硝子体、緑内障の局所麻酔手術に使用が可能です。ご希望の方はお気軽にお尋ねください。
低濃度笑気ガス麻酔の特徴
01. リラックス効果
軽い鎮静・鎮痛作用があり、心拍数や血圧・呼吸など全身状態が安定して落ち着いた状態になります。眠ってしまうほどの強い麻酔ではなく、少しふわふわするような気持ちの良い感覚です。
02. 術後も身体に残らない
使用後はすみやかに排出され体中に残らないので、数分で元に戻ります。
03. 副作用の心配が少ない
吐き気、四肢の脱力を感じることがありますが、非常にまれです。
適応のある方
- 手術に恐怖心や不安感がある
- 痛みを感じやすい
- 緊張や眩しさで目を強く閉じてしまう
- 閉所恐怖症
使用できない方
- 妊娠初期
- 鼻閉塞
- 気胸
- ビタミンB12欠乏症